詫びの心だけが込められた一心のお茶であった。一心しか感じぬお茶は、侘しくもあるが、雑念の茶より遥かに豊饒でもある。
引用 – 「室町耽美抄花鏡」海道龍一朗
どんな思いで相手と向き合うか。その心があるからこそ積み重ねてきた経験が生きてくるのだと思います。「どや!儂が点てたお茶は、うまいやろ!」では、相手の心にはスッと入っていきませんよね。
好きなことをやる上で、こだわることって必要だと思いますが、何のためのこだわりか?こだわることにこだわっていないか?ということに気をつけたいです。一念、一心があるからこそ、こだわりが生きてくる(こだわりを捨てる)のだと思います。
花鏡の中では「詫茶」の村田珠光の話が一番よかったです。村田珠光と自分の生き方を重ねて読むことができたので、とても共感できました。この本は、十数年後にもう一度読み返したいと思う本でした。